◆歯科用レントゲンを撮る重要性
歯科用レントゲンは、顎の骨や歯の状態を調べるために必要不可欠です。インプラントや入れ歯、矯正治療など様々な場面でレントゲンを撮ることになります。レントゲンを撮らなければ、適切な歯科治療を行うことができない場合があります。
◆歯科用レントゲンの安全性
歯科用レントゲンには、歯科パノラマ撮影や歯科口内法撮影、歯科用CTがあります。それぞれの被爆量は次のとおりです。
・歯科パノラマ撮影・・・0.03ミリシーベルト
・歯科口内法撮影・・・0.01ミリシーベルト
・歯科用CT・・・0.1ミリシーベルト
シーベルトは被爆量の単位で、数値が大きければ大きいほどに被爆量が多いということです。実は、放射線は食品や大地、宇宙からも発せられており、レントゲンを受けなくても一定の放射線を浴びています。
大地からは0.5ミリシーベルト、食品からは0.3ミリシーベルト、大気からは1.2ミリシーベルトの放射線が発せられています。このことからわかるように、歯科のレントゲンを受けたところで、健康に大きな問題が起こる心配はほとんどないのです。
◆妊娠中でも問題ないのか
心配ないといっても、妊娠中の方の中にはレントゲンを受けたくないという方もいるでしょう。歯科治療におけるレントゲン撮影では、顎の周辺を撮影するため、お腹は撮影しません。
国際放射線防護委員会の勧告によると、妊婦さんが出産までに浴びていい放射線源(放射性物質)は10000マイクロシーベルトです。それに対して、歯科のレントゲンは1~20マイクロシーベルトなので、それほどレントゲンを心配する必要はありません。
また、レントゲンを撮る際には防護服やエプロンを着用します。これは特殊な加工を施してあり、放射線源(放射性物質)の透過を緩和し、身体への影響を減らすことができるのです。
レントゲンと言えば、被爆によって健康上の問題が起こるイメージがあるかもしれませんが、実際には自然界から受けている被爆量よりも少ないため、大きな心配はありません。レントゲンを受けなければ正確な治療ができない場合があるため、前向きな検討をおすすめします。
しかし理論的には安全性がわかっていても、気持ちの上で不安がぬぐえないこともあると思います。そういった場合は先生やスタッフに遠慮なくお話しください。
松下